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店主コラム

2008年 5月 8日

「新緑の頃」

♪夏もち~かづく八十八夜 トントン♪
♪野にもや~まにも若葉が茂る トントン♪
立春から早くも88日が経ち、歌の通り、ここ貴船の野山では、爽やかな若葉が目に眩しいくらいです。

新緑

この頃になると、京の夏の風物詩と云われる、納涼川床が鴨川・高雄・貴船で始まります。我が家でも、真新しい青竹と葦簾を使って覆いを組み、提灯をぶら下げ、床几を並べ、無事に川床を開く事ができました。
落ち葉の掃除が忙しかった広葉樹の葉っぱもあらかた入れ替わって、楓は新芽をふき出したかと思うと急激に勢いを増し、新緑が川床を覆っています。年々歳々、季節はきっちり着実にやってくるのですね。宇治では、そろそろ茶摘みが始まっているのでしょうか?

川床

「炉のあとは一畳青しほととぎす」如心斉
炉を伏せて丸畳に替えると、替え畳は他の畳よりも青く、茶室もなんだか新鮮な雰囲気になります。
の師匠より、「爽」=「あざやか・新しくさっぱりしたさま・清々しさ」がこの時期のお茶には大切だと教えられました。
煙草盆の灰吹きに使う青竹、棕櫚箒(しゅろぼうき)、蹲(つくばい)で使う赤杉の柄杓、茶筅、茶巾、柄杓、黒文字箸などに新しいものを用い、新緑の露地の美しさと共に、「爽」を味わってもらおうという、もてなしの心です。
今「爽」の気分を充分に楽しんでこそ、また夏の終わりには、「名残りの茶」の風情がいっそう高まってくるものなのでしょう。

この春、我が家では、新料理長と新支配人を迎え入れる事になりました。新メンバーは、先日の日本料理コンペティションで優勝した黒木美順さんの元で煮方を務めていた長谷川充弘(39歳)と、ホテルマンとして経験を積んだ後、とある旅館の支配人を務めていた石川徹(43歳)です。

新緑

新緑の時期にふさわしく、社員一同、爽やかなおもてなしを目指して、心機一転、リニューアル・オープンのつもりで頑張りたいと思っています。
お客様・先輩諸兄、新メンバー共々、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします!

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