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店主コラム

2007年 2月 2日

「玉衣姫と有用微生物群」

貴船神社・奥宮

貴船神社・奥宮

ここ京都の貴船に祀られている「貴船神社」は“水の神様”の総本宮ですが、北は青森県から、南は鹿児島県に至るまで、全国に「貴船神社」と称する分社が約500社あります。
その起源は約1600年前、第18代反正天皇の御創建と云われています。
浪花の津(大阪湾)に黄色い船に乗った女の神様が現れ、「われは玉依姫なり、この船の留まるところに社殿を建てて、そこの神様を大事にお祀りすれば国土を潤し、庶民に福運を与えん」とのお告げがあり、その船は淀川、鴨川をさかのぼって水源の地「貴船」に船を留め、そこに御社殿を建てたと伝えられています。
玉衣姫の船が留まった場所は現在の「貴船神社・奥宮」で、境内の奥には「玉衣姫御船の黄船を、人目を忌みて小石で覆うた」と伝えられる“船形石”があります。
ちなみに、私の店の名前「右源太」は、貴船神社の社家の役職名で、200年位前の先祖は“鳥居(姓)右源太(役職)政蔵(名)”というような呼び名をしていました。

船形石

船形石

ところで、表題の“有用微生物群“ですが、これは汚染物質を食べてくれる善玉微生物を80種類位混ぜ合わせたもので、河川や池に投入すると、浄化作用があるといわれています。
2004年の4月、その善玉菌を、C.W.ニコル師匠から繋がったご縁で、大阪湾の漁業組合の方から大量に戴きました。
これが何で玉衣姫と関係があるかと言うと、黄船が留まったとされる所と同じ場所に善玉菌のタンクを置く事になったという事と、それを戴いたのが玉衣姫が現れたという大阪湾だったという偶然に、不思議なご縁を感じたからです。
同じ貴船に住む猟師仲間と私の二人で、4㌧トラックで受け取りに行って、町内のみんなに手伝ってもらってタンクを設置しました。
費用は町から援助してもらい、その年は週に2㌧のペースで、善玉菌を貴船川に投入しました。最初に戴いた分はすぐに無くなってしまいましたから、それ以降はこちらで培養して、9月末まで投入し続けました。
それにしても、気になるのは「本当に効き目があるんかいな?」という事で、それは町内の皆さんも同じ思いだったようで、それどころか、「そんな得体の知れんもんを川に流してもええのんか?」という、良く考えたら当たり前の事を言われる方もいらして、残念ながら、その年で中止することになってしまいました。 奥宮にポツンと残った無用のタンクは、自分が運んできてしまった手前、見るにしのびない物がありました。
その後、1年間のブランクの後、区長から、「町内の事業としては認められへんけど、お前が勝手にやる分にはかまへんで!」と言ってもらい、昨年は5月から9月まで、週に1㌧のペースで投入しました。
肝心の効果の程は…
貴船川は渓流で流れが速く、善玉菌が活躍する暇もなく下流へ流れていってしまうのだと思います。大阪湾の漁協の方は、道頓堀川では「川底に溜まったヘドロが激減して、シジミが大漁でウハウハや!」と仰っていたので、「貴船川ではゴリが大漁になるかもやな!」とか期待していたのに…
それはともかく、乗りかかった“船”なので、今年も5月になったら投入します。
加茂川・鴨川、淀川、大阪湾漁業組合の皆さん、ひょっとしたら、水源の地から投入された善玉菌達がお伺いするかもしれませんが、その時はどうぞ宜しくお願いいたします。

善玉菌のタンク

善玉菌のタンク
1㌧タンクを3個設置して、ここから直接貴船川に投入しています。

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